風見幽香は求聞史紀の幻想郷縁起において「危険度:極高 人間友好度:最悪」と書かれ、本人も弱い者いじめを好む事を自称するきわめて危険な妖怪として描かれている。
しかし実際のところ〝普通に接している限りは〟そこまで危険な妖怪でもないのではないかと筆者は考えている。
根拠は以下の通りである。
・縄張りをプリズムリバー楽団に貸している
花映塚ストーリーモードリリカEDでプリズムリバー楽団がひまわり畑にステージを設営しライブをしているのを幽香が遠巻きに見ている絵が存在し、また、憑依華のプリズムリバー楽団がライブを行っているステージが「太陽のライブステージ」と名付けられている。これは幽香が縄張りにしている太陽の畑を楽団に日常的に間貸しし、集まっている客(花映塚では主に幽霊、憑依華では主に人間と思われる)に全く攻撃しない事を示しているように見える。
・人里に買い物に来るらしい
危険危険と口を酸っぱくして書かれている縁起だが、そこに人里に買い物に来ていたという目撃談が載せられている。人里でトラブルを起こさず、お金を出して人間と取引をする高い社会性がある事がわかる。
・映姫にもっと人に恐怖を与えなさいと言われている
逆説的にあまり人に恐怖を与えていないという事になる。
実際、求聞史紀の幽香の項を見ていると「一見平和そう」「最近はあまり動かない」「一般の人間には興味がない」「普段は紳士的」と基本的には攻撃的ではない旨が繰り返し書かれており、その度に「でも危険だから手を出したりするな」と口を酸っぱくして書かれている印象が強い。
このあたりから筆者が想像する幽香の実態は、強大な力を持っているが普通の人間にそれを振るう事はまず無い一方で、比較的普通の人間でも見かける機会の多い妖怪であり、見た目も危険そうに見えずその危険性を忘れられがち……という具合である。
それゆえ縁起ではこいつが危険だと忘れるな、調子に乗って悪戯をするなと危険性を特別強調して書かれたのではないかと筆者は想像している。
このような、作中の描写を建前、誇張、ミスリードとして考察するのは恣意的に自分好みの結論を出せる危険の大きい考え方である。このトピックについても筆者の願望でそう見えているだけという可能性は全く否定できない。しかし実際求聞史紀などは作中作として建前、誇張、間違いが含まれている事が示唆されているのが厄介なところである。裏読みをしすぎず、しかし鵜呑みにはしないきわめて慎重な考えが求められる。求聞史紀に限らず注意して読解を行っていきたい。

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