はじめに
霊長新益京の各曲の一部にも触れるので、
頒布前に知りたくない方はこれ以上の閲覧をお控えください
秘封新作の中身自体にも考察の形で少し触れています
飽くまで一つの見方ではあるが
東方錦上京は恒久が司る物語であった。
6面ボスとの会話にも「恒久」という言葉が出てくる。
恒久とは何か?、六十四卦の一つに雷風恒とあり、「変化を伴う不変」とされている。
幻想郷を覆った同じ1日の繰り返しがそれであり、現実だと人の1日でも、各人では違えど寝て起きて過ごして寝るという行為は不変である。
または四季や鳥・魚の渡りなど、変化しているようで実は同じ繰り返しも恒(恒久)と捉えることができる。
本来は変化を伴う不変の事ではあるが、拡大解釈で石や石化といった無機物の不変にも当てはめられる。
なぜ恒久に延々と触れたかというと、その恒久=恒の対比が、今回の秘封新作のタイトル「霊長新益京」に入っている「益」だからである。
二つの対比について
六十四卦の雷風恒の「雷」と「風」を入れ替えると風雷益となる。
雷風☳恒と風雷☴益、直線と波線を入れ替えると反対の卦になる
☴ ☳
のを裏返しの関係という。
益とは益(ま)す、すなわち増えることを意味し、有機物の増殖や生育を意味する。
先ほど指摘した通り、恒は不変≒無機質であり、そして益は増殖≒有機物の事を指すことで互いに裏返しの対になっており、さらに益側は「霊長」という動物などの生命を持つ者たちの事を絡めていることと強調できる。
究極の動かぬ偶像
「偶像に世界を委ねて」が初出の東方鬼形獣では、偶像は埴輪の事だった。
埴輪は水と土(そして短時間焼成のための火)で出来ている。
秘封新作に出てくる偶像は大きな大仏であり、これは熔かした鉄を鋳型に落とし込んで作っている。
制作の仕方が違えどどちらも「恒久の存在」である。
大仏の方が不変の強度・重厚さは大きいかもしれない。
人の1日という「恒」の起きている時間を用いて、集団の力で生み出された(益した)のが大きな偶像(恒)である。
この偶像を通じて人々は、更なる益(国家繫栄や、人民の息災)を祈ったのだ。
なぜ「霊長藤原京」ではないのか
二軒目ラジオで「色々候補はあったけど、あらましきょうって口に出したときに一番気持ちよかった」って仰っていた(意訳)ので、これで証明終了ではある。
今までの考察を反映させると、副題の「Artificial Utopia in Ruins(廃墟の人工理想郷)」にもかかってくるが、人の繁栄した先(益の究極)も、行き着く先は恒久ではないか(そこからも益を産むのではないか)というテーマなのかもしれず、そのために歴史ロマン(憧れ的視点)に偏りがちな例えば「霊長藤原京」案から代えたのではないか、ともとれる。
この辺は、音楽聴いたりブックレットを読んだりしたりした時にはっきりする可能性はある。
まとめ
東方錦上京を遊び、霊長新益京というタイトルを聴けば、その対比がなんとなくイメージできるだろう。
六十四卦の雷風恒と風雷益を用いることで、その対比はより鮮明になる。
東方や秘封もまた、原作という「恒久」な存在から、新しい二次創作「益」を生んでいるのだ。

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