お燐の集めている死体について

お燐は集めた死体を処理している?

求聞口授の火焔猫燐の項目にはこのような記述があります。

何の為に死体を持ち去っているのだろうか。彼女は死体を何処かに溜めている様子は無い。

もしお燐が集めた死体を無限に溜めこんでいたりしたら、ただでさえ獣臭そうな地霊殿が腐臭まで立ち込める地獄になってしまうので当然の記述だと思います。(元々旧地獄ではありますが)

では、お燐は集めた死体をどう処理しているのでしょうか? それについては地霊殿のキャラ設定、霊烏路空の項目を見ると明らかです。

彼女の仕事は、少しでも火が強くなったら中庭の天窓を開け、火力が衰えたら燐が運んできた死体を投げ込み、火力を調整する事。

この記述からお燐の運んできた死体はお空の手によって灼熱地獄跡に投げ込まれていた事が判ります。あくまでお空が八咫烏を取り込む前の記述であり、現在まで行われているという保証はありませんが、求聞口授の時点で死体を溜めている様子は無いと言われているのでおそらく同じ方法で死体は処理され続けているのだと思われます。

お燐の好む死体とは?

では何故お燐は死体を処理しているのでしょうか?それはお燐が処理する死体は彼女が好む死体では無くなったからだと考えます。茨歌仙6巻28話で彼女はこう発言しています。

残念ながらこの石にはもう死体であった名残はないのよねー こうなってしまっては正直興味が湧かないけど一応仕事としてね(やっぱり死体はピチピチでないと)

この石とは石桜の事で、括弧内の記述は吹き出しの枠外にあったセリフです。

また求聞口授の火焔猫燐の項目では

しっかりと埋葬してしまえば、もう興味は無くなる様である

という記述もあります。

つまりお燐はピチピチで無くなった死体は好まなくなり、興味を無くすと考える事が出来ます。この説明だけでは矛盾が生じる部分もありますがそのことについては後述します。

何故お燐はピチピチの死体を好む?

何故お燐はピチピチの死体を好むのでしょうか? 好きだから好きなのであって理由なんて無いと思われる方もいるでしょうし、それで大方合っているとも思います。しかし、明確に理由を説明できる部分もあります。

お姉さんの強い死体、魂。この灼熱地獄で良い怨霊に育つはずさ!

これは魔理沙アリス支援ルートにおける地霊殿五面のお燐のセリフです。

 猫には動くものを追いかけてしまう習性があるが、火車には死者から抜け出る瞬間の魂を追いかける習性があるようだ。

これは求聞口授の火焔猫燐の項目の記述です。

また、エンディングの内容なので直接の引用は避けますが、地霊殿の魔理沙パチュリー支援ルートのエンディングで死神に魂を持っていかれる前に妖怪、特に火車に死体を持っていかれると怨霊になってしまうと語られています。

これらのことからお燐が死体を収集する理由には死体、魂を怨霊にする目的もあるのだと思われます。

つまり、彼女はまだ魂の宿っている死体を死体らしい死体として好んで収集し、その死体から魂が抜けて怨霊となる。魂が無くなった死体は抜け殻となるのでお燐は魅力を感じなくなり好まなくなる、という流れなのではないでしょうか(根拠は薄いですが)。

死体にも優劣がある?

「お燐の好む死体とは?」の項目で前述したお燐はピチピチの死体を好まないとすると矛盾が生じるという部分ですが、それは智霊奇伝迷宮編一巻第三話にあります。お燐がさとりから骨を受け取って喜んでいるシーンのことです。骨をピチピチの死体と解釈する人はおそらくいないでしょう。そもそも、このシーン以外にも地霊殿五面にはこのようなお燐のセリフもあります。

ささ、心配要らないわ。お姉さんの骨と魂は拾ってあげるから。

(霊夢萃香支援ルート)

そうかい、どうしても行くって言うのかい。なら、骨は拾ってあげるから頑張ってね。強い死体のお姉さん。

(魔理沙アリス支援ルート)

 

どちらも明確に骨を拾うと言及しており、ピチピチの死体を好むという前提が壊れているように思えます。

また、「お燐は集めている死体を処理している?」の項目において死体は灼熱地獄跡で処理されているという説明をしましたが、灼熱地獄跡で死体を燃やすとどうなるかも地霊殿六面でお燐が語っています(このセリフは霊夢・魔理沙全機体で共通)。

地獄の底(ここら)で死ぬとみんな焼けて灰すら残らない。死体が欲しけりゃ、やっぱりあたいがお姉さんを仕留めないとね!

つまり、灼熱地獄跡に捨てられた死体は骨すら残らないという事になると思われます。(お空の火力が高すぎるためと考える事もできますが)

これらを鑑みるにお燐の中で骨を残したい死体とそうでない死体、という優劣があるのではないかと考えられます。

前述の智霊奇伝に出てきた骨はよく見ると角が生えています。おそらく妖怪の死体です。茨歌仙一巻第一話で魔理沙はこう発言しています。

妖怪ってあまり死体を残さないよな 倒しても消えるだけで

魔理沙の発言なので信頼度が低い気もしますが、妖怪の死体が珍しいということは間違いではないと思います。

また地霊殿五面においても霊夢と魔理沙について強い人間であるとお燐は繰り返し発言しています。妖怪を薙ぎ倒して灼熱地獄跡まで辿り着くような人間は珍しい、なんならお燐からしたら初めて邂逅した存在かもしれません。

これらのような珍しくレアな死体だと、たとえ普段は捨てている骨などでも確保しておきたいという心理が働いてもおかしくはないのではないでしょうか。

骨を集めて保管しているのなら「お燐は集めた死体を処理している?」の項目で引用した、死体を何処かに溜めている様子は無いという求聞口授の記述に矛盾している様に感じるかもしれません。しかし、あくまで「様子は無い」と完全に確認を取ったような書き方ではないので、大量に回収した死体がそのまま放置されてるわけではないということが判っただけで、少しぐらい骨をどこかに保管していても気付かなかった可能性もあるのではないかと考えます。

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