「幻想郷の賢者」とは何者か

幻想郷の賢者とは

幻想郷の賢者は東方求聞史紀などで語られており、博麗大結界によって現在の幻想郷を創った者である。

東方求聞史紀に登場する賢者

東方求聞史紀では八雲紫と龍の項目でそれぞれ語られている。
八雲紫の項目は前述の通り、そして龍の項目では博麗大結界の折に出現した龍について書かれている。

妖怪の賢者達は、自分の存在を賭けて龍に永遠の平和を誓うと、水は瞬く間に引き、空は割れ、地上は光を取り戻したと言われている。

東方求聞史紀

求聞史紀の信憑性について

稗田阿求が幻想郷縁起を執筆した際のエピソードが描かれた「記憶する幻想郷」にて八雲紫が登場し、

幻想郷の真実は私とともにある
記憶も真実に沿わなければならない
今回の幻想郷縁起も内容を改めさせていただくわ

東方求聞史紀 記憶する幻想郷

と発言している。
東方求聞史紀に書かれているものは阿求視点で見える幻想郷の姿であり、その上で妖怪達によって都合の良い記述に書き換えられていることが推測される。
そのため東方求聞史紀の記述は信憑性に問題があるという見方がある。

茨木華扇は賢者なのか

茨木華扇と八雲紫

華扇と紫は茨歌仙の14,15話(3巻),33,35話(7巻)で邂逅している。

そこでは紫は華扇に、結界を越えることに対する警告と、華扇の立場の確認を繰り返し行っている。
そして「こっち側の人」である事を否定した華扇に対し、

幻想郷の賢者にも色々な奴が居るからね貴方が私の味方で無くても結構

東方茨歌仙 7巻 35話

と語っている。
つまり、華扇は賢者であるとしながら共通の目的で動いていなくとも問題なしとしたのである。

結界を解いた華扇

東方深秘録では、結界を開け魔理沙を外の世界に送り込んだ。その際、

『賢者××××の名において命ず
 130年の禁を解け』

東方深秘録

と発言しており、実際に結界を解いてみせると同時に、博麗大結界と幻想郷の賢者の関係性が示唆された。
しかし、その名は賢者××××であり華扇の名ではなかった。賢者××××が華扇の別名なのか、あるいは別の人物なのか、真相は謎のままである。

摩多羅隠岐奈は賢者なのか

東方天空璋の隠岐奈

摩多羅隠岐奈は初登場した東方天空璋で、

私は摩多羅隠岐奈
後戸の神であり障碍の神であり
能楽の神であり宿神であり、星神であり
この幻想郷を創った賢者の一人でもある

東方天空璋

と自ら幻想郷の賢者を名乗った。

摩多羅隠岐奈と茨木華扇

摩多羅隠岐奈が東方茨歌仙に登場した際には、華扇が

その隠岐奈は私の古い知り合いだからね
その性格も何を考えているのかもよく分かる…

東方茨歌仙 9巻 42話

と語っており、賢者同士で古い面識があることもうかがえる。

摩多羅隠岐奈と射命丸文

摩多羅隠岐奈は東方天空璋にて前述の通り自ら賢者であると名乗った。しかしそれは霊夢と魔理沙に対してのみであり、名乗りもしなかったチルノは論外として、文に対しては

私は摩多羅隠岐奈
後戸の神であり障碍の神であり
能楽の神であり宿神であり、星神である

東方天空璋

と幻想郷の賢者についてのみ伏せているのである。文はその後東方茨歌仙にて隠岐奈が賢者であることを確認するために華扇に探りを入れることになる。
なぜ隠岐奈は文にのみ賢者の名を伏せたのだろうか。

幻想郷の賢者とは何者か

幻想郷の賢者を名乗る者達はその正体を隠し素性を簡単には明かしてくれない。
今回はここまでの情報から2つの仮説を用意した。

仮説1、賢者は幻想郷の支配者である

幻想郷の支配を目論む妖怪達の様子は度々描かれており、幻想郷の賢者達は支配者にもっとも近い立ち位置にいると思われる。
そのためその立場を揺るぎないものとするため、自らを大きく見せ、敵に対して正体を眩ませているのではないだろうか。
その一方で賢者同士は同志ではなく、博麗大結界という共通の目的のみで動いただけの関係であるため、現在は互いに牽制し合っている可能性が高い。

何処にも属せず孤高の妖怪
誰にも意識されずに石を投げるだけで
世界を動かすなんて……
おー怖いのう
我ながら怖い想像しちゃったぞい

東方鈴奈庵 5巻 35話

仮説2,賢者は自称の肩書である

幻想郷の賢者は賢者達が勝手に名乗っているだけであり、とんでもなくやばいやつらであるという仮説。
実際に賢者達以外は賢者であると認めたような描写はなく現在も勝手に名乗っているだけである。
そのため天狗のような情報に強いものからは徹底的に正体を隠そうとする。

また博麗大結界によって幻想郷を創った本物の賢者は別にいるという仮説もある。
幻想郷の賢者達は現在、この結界の操作権のみ何らかの手段で獲得しており、本物の賢者「××××」の名で結界を操作している可能性も考えられる。

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