綿月豊姫は龍なのか、鮫なのか、ワニなのかずっと悩んでおりましたが、一定の結論に至りましたのでこちらに書いてみようと思います。
よろしくお願いします。
●綿月豊姫の正体についてのネット上の記載
綿月豊姫をPixiv百科事典でひきますと、神話的解説として、「真の姿(鰐=現代でいう鮫)」とあり、元ネタの豊玉姫はサメであるという記載になっているところです。
●豊玉姫について
しかし、その豊玉姫は日本各地で龍神様として祀られています。例えば、東京佃の龍神社では龍姫大神(豊玉姫神)として祀られており、サメという結論をそのまま受け取るのは違和感があります。そこで、豊玉姫を古事記、日本書紀で確認してみました。
岩波文庫 日本書紀(一) 巻第二 神代下 第十段
「豊玉姫、方に産むときに竜に化為りぬ。」、「即ち八尋大鰐に化為りぬ。」
角川ソフィア文庫 新版 古事記
「八尋わにに化りて」
と書いてあり、表記にゆれというか差異があります。
さらに余談ですが、ロスワはラストワードなどから鰐とサメの両面をもっているという設定のようなので、正直困っていました。
●マチカネワニの存在
そうしたなかで、上野の国立科学博物館でワニ展が開催されており、マチカネワニの化石のレプリカが展示されているという話を聞き、見に行きました。
マニカネワニは大阪の豊中で発見されたもので、学名が「トヨタマフィメイア マチカネンシス」という豊玉姫にちなんだ命名がされていますので、ヲタ活の一環として見に行ったのです。
その展示で、この学名を提唱された青木良輔先生の「ワニと龍」という本が紹介されていました。これは生物学的に両者に関連があるのかもしれないと思い、図書館で借りたところ、ポイントは、
・古代中国の「龍」はこの温帯で生息できる獰猛なマチカネワニの呼称だったのではないか
・気候の寒冷化が起きており、中原には生息できなくなって消えたと考えられる。それが龍が天に昇る伝説になった可能性が考えられるのではないか。
・気候の温暖化で中原で再度見られるようになったが、別の生き物と考え、鰐という呼称が充てられるに至ったのではないか
というものでした。
●まとめ
こうすると、龍=鰐なので、記紀で表記に揺れがあるのも理解できるところです。同じものを複数の呼び方で読んでいるだけということです。これは正直目から鱗でした。
これを踏まえると、東方錦上京の四枚目のスペカの「ムーンドラゴン」は記紀に照らしても違和感はないということになります。
さらに、スペカルールが明文化されているものとして、東方求聞史紀に収録されている「命名決闘法案」があるので、それを確認すると、その理念で「・・・と思念(常に心にかけること。考え思うこと(広辞苑第7版))に勝る物は無し」とあります。そうすると、スペカの名前から豊姫さま本人は、自分を龍だと思っていると言えるのではないかと思います。
繰り返しで恐縮ですが、龍=ワニということと考えられるので、綿月豊姫は、龍でありワニであるという結論で問題ないのではないかと考えています。
なお、サメについては何も言及できる事項がありませんので、百科事典もロスワも直ちに違うとは言えませんし、個人的にもサメかどうかは一旦判断保留にしたいと思います。


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