スターサファイア前髪変更事件の真相を追う

※妖精大戦争のエンディングのネタバレがあります

東方三月精のうち、SBND、OSP、VFSは比良坂真琴先生が漫画を担当している。

ELND→2005〜2006(1部)
SBND→2006〜2009(2部)
OSP→2009〜2012(3部)
VFS→2016〜2019(4部)

SBND7話にて、スターサファイアは前髪が短くなりぱっつんが眉上になった

妖精大戦争は東方のSTG作品のうち唯一立ち絵がZUN絵ではなく比良坂先生が描かれているが、そこでも同様にスターの前髪は眉上ぱっつんとなっている。

しかし、同ゲームのエンディングはZUNによって描かれており、そこではスターの前髪は眉下ぱっつんとなっている。

このことから考えられることは、

ZUNは最初スターのぱっつんを眉下で想定していた→何らかの理由により、比良坂先生の判断でスターのぱっつんは眉上に変更された→それはZUNの想定と違うものだったので、妖精大戦争エンディングでは比良坂先生の立ち絵とは違ってぱっつんを眉下で描いた

というものである。この説を補強する事柄として、

  • 妖精大戦争の後に連載されたVFSでは、ぱっつんが眉下に ”修正” されている。
  • 何らかの理由が「スターと輝夜の見分けがつかないという声が多かった」というものだとすると、見分けがつくようにスターの見た目に違いを出すための変更とも考えられる。

というものが挙げられる。

この説を正しいとすると、スターのぱっつんが眉上であるというのはあくまで比良坂先生による表現であり、ZUNが意図的に変更したという訳ではないと言う事が出来る。

と、思っていたのだが・・・

ELNDの単行本表紙のスターサファイアは、よく見るとぱっつんが眉上である。

これを描いたのはELNDの漫画も担当している松倉ねむ先生で、本編で一度もスターのぱっつんを眉上で描かなかったにも関わらず表紙では眉上で描いているのである。そして、比良坂先生だけでなく松倉先生も眉上ぱっつんで描いているとなると、先ほどの “眉上ぱっつんはあくまで比良坂先生の表現。ZUNの意図的な変更ではない” という結論と矛盾する
つまり、比良坂先生と松倉先生で描き方が統一されているので、これはZUNが意図して変更を指示したのではないか、ということである。

これに対する反論として、

ELND単行本の発売はELND本編より後であり、その頃には既にSBNDが始まっていて、スターのぱっつんも比良坂先生によって眉上に変更されていたつまりELND単行本の表紙は、松倉先生がその比良坂先生の眉上ぱっつんの描写に合わせて描いたものであり、そこにZUNの関与はない

というものが考えられるだろう。

しかし、時系列を見ると、

2007/1/26 SBND5話(スターぱっつん眉下)
2007/1/26 ELND単行本(スターぱっつん眉上初)
2007/2/26 SBND6話(スターぱっつん眉下)
2007/3/26 SBND7話(スターぱっつん眉上)

となっている。

つまり先ほどの反論の「ELND単行本の表紙は松倉先生が比良坂先生に合わせて描いた」は嘘であり、より一層眉上ぱっつんはZUNの指示が強まったと言える。

他の可能性を考えると「逆に比良坂先生が松倉先生に合わせて眉上にした(だからZUNの関与はない)」というものも考えられるが、よりによって単行本の表紙で気分でキャラの前髪の長さ変える?とか、そうだとしても、気分で変えたものが妖精大戦争の立ち絵まで引っ張られてるの変じゃね?みたいな疑問がいろいろ湧くので、やはりZUNが指示したと考える方が自然だろう

では、ZUNが指示したという説を正しいとすると、妖精大戦争エンディングのスターはなぜ眉下ぱっつんなのか?という疑問が湧く。

これについては酒を飲みながら描いていたのでスターの前髪を忘れていた説や、やむを得ない事情で前髪を眉上にしたのでせめてエンディングでは眉下にしようという最後の抵抗説などが考えられるが、立ち絵よりは力を抜いて描いてるだろうなというのがわかるエンディングより、エンディングよりは頑張って描いてるであろう立ち絵や漫画などの描写からわかる情報を私は重視したいので、妖精大戦争のエンディングの描写とスターの立ち絵の描写の矛盾に対する私の解釈はそんな感じにしたいと思う。

ちなみに一連の前髪変更の理由を「輝夜に似てると言われないため」とすると、なぜ前髪が短くなったのかなぜVFSでは再び眉下に戻ったのかということに関して一応辻褄は合うのだが、それはあくまでメタ的な理由であって、ZUNが意図して変更したということはそこに作品の設定にまつわる意味が発生するということが考えられる。なによりここまで露骨な髪型の変更は数ある東方キャラの中でも極めて異例である。これに関してはまだ誰も考察していないのでまたいろいろ見て考えたいと思う。

それと東方求聞史紀ではスターの前髪は眉下で描かれているが、求聞史紀の発売は2007/1/15でまだ眉上の例が無かったので変なことでは無いのだが、東方において注目度の高い設定資料集である求聞史紀で描かれたスターの見た目がその後すぐに変更されることになるという。

2007/1/15 求聞史紀(スターぱっつん眉下)
2007/1/26
SBND5話(スターぱっつん眉下)
2007/1/26 ELND単行本(スターぱっつん眉上初)
2007/2/26 SBND6話(スターぱっつん眉下)
2007/3/26 SBND7話(スターぱっつん眉上)

さらに妖精大戦争も、東方のSTG作品ということで注目度が高いと思われるが、そこで見られるスターの見た目がVFSでまた変更されるので、なかなかぶっとんでいるとは思う。確かに不安定な惑星のようでスターっぽいと言えばスターっぽいのかもしれない…

コメント

  1. Hiropu より:

    ただのブレっちゃブレに見えるところがなかなか難しい🤨