パチュリー・ノーレッジは星の魔女である!!!!!
…………は?
ということで本記事ではパチュリー・ノーレッジ星の魔女説について考察していきたい。
パチュリー・ノーレッジの魔法
彼女の能力や属性について原作では、
火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力
東方紅魔郷 おまけtxt
彼女が主に使う属性魔法は、生命と目覚めの『木』、変化と動きの『火』、基礎と不動の『土』、実りと豊かさの『金』、静寂と浄化の『水』、能動と攻撃の『日』、受動と防御の『月』の七属性である。
東方求聞史紀「パチュリー・ノーレッジ」
と記されている。星の魔法に関する言及は一切ないし、実際原作においてパチュリーが星の魔法を使ったことは一度もない。故に星属性の適正はないと思ってしまうが……しかし、思い出して欲しい。彼女の扱う属性魔法の性質がどんなものであるのかを。
属性魔法とは、妖精や精霊の力を借りる魔法で、小さな力で大きな効果を期待出来る魔法である。
東方求聞史紀「パチュリー・ノーレッジ」
パチュリー・ノーレッジは属性魔法の使い手だ。
妖怪にしては珍しく人間にも劣る身体能力と喘息を持つ彼女には、霧雨魔理沙のようにマジックアイテムを介して自身の力を放出する魔法や、アリス・マーガトロイドのように魔法の糸から力を流し多数の奴隷(人形)を常時使役するような魔法は不向きである。その点、少ない消耗で大きな力を扱える属性魔法というのは、彼女にとって実に都合が良い魔法だろう。また生来の属性に囚われること無く多彩な魔法を扱えるというのも、属性魔法の大きな利点だ。
属性魔法には必ず弱点となる属性が存在するという欠点もあるが、彼女はその欠点を複数の属性を組み合わせ一つの魔法にすることで克服している。
余談だが、このことについて霧雨魔理沙は自著The Grimoire of Marisaにて
右手と左手で別々の魔法を使っているらしい。でも呪文詠唱しているらしいが、どうやって二つ同時に詠唱しているのだろうか。
と記している。
喘息でスペルを唱えきれないこともあるパチュリーだが、そのハンデを背負いながらも属性魔法の複合の鍵となる同時詠唱という難度の高い技術を会得していることに、彼女の属性魔法使いとしての矜持というものが伺えるよねと筆者は勝手に思う。
属性魔法はその性質から召喚/喚起魔術の類であると考えられる。
一般的な召喚/喚起魔術のイメージといえば、対象と契約を交わしその力を行使する術だ。であれば、パチュリーは扱う属性の数と同じ7匹の妖精あるいは精霊と契約を交わしている可能性がある。
ここで一度、幻想郷における妖精と精霊とはなにかを確認しておきたい。
まずは妖精についてだが、これは皆さんご存知であろう。性格は様々だが、基本的に自由奔放で悪戯好き。自然現象の化身のような存在であり意思疎通は可能だが頭は単純。妖精と書いて馬鹿と読む人物がいるぐらいには馬鹿。死の概念を持たず、流れ弾等でピチュって消えても冥界に渡ることはなく復活する。
概ねそんなところだろうか。
なお一部の妖精に関しては、死の概念に近づいていることを指摘されたり、人工物の蒐集という妖精としてはかなり不自然な行動を取っていたり、何故か自然の力が減退する土用に繋がる扉を持っていたことからどこぞの神ではないかと推測されていたり等、単なる自然現象のという存在から外れかけている者も度々出てきているのだが……まあそのあたりのことについては詳しい者に任せるとしよう。
一方で精霊に関しては公式であまり言及がなく、有力な情報は2004年頃に公開されたメールのコピペ内での言及に留まる。
精霊は、殆ど人格を持っていません。自然そのものなので喋れない場合が殆どです。
ただ、喋れる(様に見える)者もいます。例)山に向かって叫んだときに返事をする山彦
とか
妖精は、もう少し精神的な(高度な)存在なので、喋れる者が多くなります。
ZUN氏の回答メールです。◆I4s4JELmpY
この言及を読む限り、少なくとも精霊は妖精以上に混じりっけのない自然という概念そのものに近い存在、という位置づけにはあるらしい。
精霊の殆どは人格持たず喋ることができないため、意思疎通は困難だろう。しかし人格を持たないということは、自己で判断する能力も持ち得ないということ。考えようによってはある程度の従順さを持ち合わせているとも言える。人が山を削り川の流れを変えられるように、土を耕し土壌を変えてしまえるように、精霊の力の制御というのは悪戯好きで自由奔放な妖精よりは楽な部類かも知れない。
話を戻そう。
パチュリー・ノーレッジは属性魔法を扱う上で、この性格的にも性質的にも難の多い自然の化身たちの中から七曜に対応する7匹と契約を交わしている可能性が高い。確定的な言及は無いものの、魔法を使う度に周囲から精霊を引き寄せ契約を交わすというのは手間であるし、戦闘中に魔導書と呪文詠唱で喚び出して瞬時に力を借り受けられることからも、七曜の7匹との契約自体は永久なものか、あるいは定期的に契約更新を行うサブスク式であると考えられる。また契約対象についても、萃夢想や緋想天ではパチュリーの能力が「魔法(主に精霊魔法)を扱う程度の能力」とされていることから、妖精ではなく精霊を中心にしている可能性が高いだろう。
時に、パチュリー・ノーレッジは契約しているそれらの中から2匹の力を同時に借りて行使することがある。五行思想で言う相克関係にある相性の悪い組み合わせの属性ですらそれぞれの持ち味を殺さずに一つの弾幕に収めることを成し遂げているのだ。
パチュリー・ノーレッジが魔法使いとして高い能力を持つことは事実。しかし、これを単に技量の高さや経験という程度の話で済まして良いものなのか?もっと根本的な部分で、パチュリー自身の性質が関係しているのではないか?
そう、つまりは冒頭で述べたとおり。
パチュリー・ノーレッジは星の魔女なのである
七曜とは即ち星であるならば
東方の世界には自然を形作る三系統の属性が存在する。
お日様には人を惹きつける絶対的な魅力と、お月様もお星様も消してしまうという傲慢さを持つ。
お月様は満ち欠けで自らの姿を変えるところに、協調性と優柔不断さを持つ。
そしてお星様は動かない北極星から、動きに惑いを見せる惑星、一瞬だけ顔を見せる流星、と多様性と非協調性を持つ。
このお日様とお月様とお星様、三つを併せて『三精』と呼び、それが自然の気質を表す属性の一系統にあたる
(中略)
誕生を意味する春、成長を意味する夏、成果と衰退を意味する秋、そして死を意味する冬の四つ。生命の流れを意味する属性の一系統が四季
(中略)
そして最後の属性は、物質の属性。形なき激情の火。全てを無に還す水。力強く優しい木。冷たく沈黙の金。そして、全ての物が還る先となる再生の土。この五行が最後の属性の一系統となるの
東方紫香花「六十年ぶりに紫に香る花」
三精、四季、五行が東方世界において自然を形作る三系統の属性である。と、かつて八雲紫は言った。
この内、金以外の七曜に対応する属性に関しては求聞史紀での記述と概ね印象が一致する形で書かれており、パチュリー自身が五行にやたらと詳しいことや、彼女が妖精や精霊という自然の化身から力を借りる属性魔法を扱うことからも、七曜の属性とは五行+三精の日月と見るのが自然だろう。
この中で注目したいのは三精の性質だ。三精と関連するもので、我々にとって馴染みが深いのは光の三妖精だろう。紫香花で紫が語った三精の性質も、それぞれサニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアの性格を連想させるものとなっており、妖精が自然から生じている存在であることを裏付けるものとなっている。
そしてこの三精こそ、属性魔法の適正において重要な意味を持っていると筆者は考えている。
たとえばだ、三精の日の気質を持つ者がいたとしよう。
それは圧倒的なカリスマを誇り、人々を引き付ける。しかし誰よりも我が強く眩しい日の光は、その傲慢さが故に他の属性を十分に生かすことは難しいかもしれない。
では月の気質を持つ者なら?
それは変幻自在で、どんな群れの中でも生きられる優等生。しかし月の満ち欠けというのは日の光に左右されてしまうもの、その優柔不断さと我のなさは沢山を使役するには向いてないかもしれない。
ならば……星の気質を持つ者であれば、どうだろうか?
星はそれ自身が様々な姿を持つ、つまり多様な形を受け容れ生かすことができる存在。協調性はあまりなく我をゆく性格だが、使役する側であればそれは些細な問題とも言える。
五行と日と月で構築される七曜は、空に浮かぶ天体にも対応する。それは、即ち全てが星であるということ。ならば七曜を統べる事ができるのは、七曜の属性魔法を最も有効に活用できるのは、他ならぬ星の力を持つ者であるはずだ。
故に、パチュリー・ノーレッジは星の魔女である。
おわり
おまけ 7という数字が持つ魔力
ここまでこの記事では属性魔法についての考察と、パチュリー・ノーレッジの三精属性についての考察を行ってきた。しかし、なぜ七曜であるのかについては疑問が残る。
先の項目で筆者はパチュリーの使う七曜が五行と三精の日月であるとしたが、それではなぜ三精の星だけが欠けるのか?そして四季は一体どこへ行ってしまったのか?
これらに関してはパチュリーが三精の星であるが故に星の精霊とは相性が悪いとか、そもそも自身が星なので星の精霊と契約する必要性がないとか、生命の流れを意味する四季の属性は命の根幹に触れる力であるから扱いが困難であるだとか、そもそも四季は星ではないため星属性を持ってしても扱いきれないとか、様々な説が思い浮かぶものではあるが……筆者は7という数字にこそ意味があるのではないかと考えている。
7に魔法使いというと、とある人物を思い浮かべる人も多いだろう。そう、七色の人形遣いことアリス・マーガトロイドだ。
「誰があんたみたいな七色魔法莫迦と旧友なのよ。」
「所詮、巫女は二色。その力は私の二割八分六厘にも満たない」
東方妖々夢 博麗霊夢Stage3
怪綺談において彼女は赤、青、紫、緑、黄の5色の弾幕を用いていた。その後再登場した妖々夢では新たな二つ名の通り使用する弾幕の色が青、赤、緑、黄、水色、紫、橙の7色(+白)となっている。
妖々夢での霊夢との会話はノリと勢いが殆ではあると思うのだが、実際に使用する色が増えていることを踏まえると、色≒属性の数というのは魔術的に何かしらの意味があるように思える。
特にそう、七つの色というのは一般的に虹を示す色の数でもある。虹というのは古今東西何かしら特別なものと結び付けられて考えられており、大体は吉兆として扱われている。
さて、幻想郷においてはどうだろうか?
虹を持つ者は雑魚から強者まで様々居るわけだが、実は虹を七色で示している者に限定すると二人の魔女以外には紅美鈴ぐらいしか該当者がいなかったりする。おや?
7という数字で他に連想できることといえば正直村の犠牲者の数とか、それこそ東方Project第7弾は東方妖々夢で弾14弾は東方輝針城であることぐらいしか筆者には思いつかない。
もうお分かりだと思うが、現時点で筆者はこの7という数字が持つ魔力について結論も何も持っていないのであった。
この項目はおまけですからね。
ということで此処から先の考察については、今これを読んでいる皆さまに委ねたいと思う。
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