豊聡耳神子は空を仰ぎ何を思うか

豊聡耳神子の設定テキスト

 みなさまご存じの通り、東方原作STGにはキャラ設定について記されたテキストファイルが同梱されている。ゲームをプレイしただけではよくわからないキャラ達について、その設定に触れることができる、やんごとなきテキストファイルである。

本題に入るが、東方神霊廟のキャラ設定テキストには以下のような記述がある。

彼女には天才ならではの葛藤があった。
  「大地は神々の時代から変わらず、海は水を湛えている。
   何故、人間は死を受け入れなければならないのか」
  次第に、彼女は死んでいく人間の運命に不満を持つようになった。

(東方神霊廟 キャラ設定とエキストラストーリー.txtより引用)

これは、豊聡耳神子というキャラの過去について述べたものである。神子が人間の死に対して不満を持つようになった、という話なのであるが、私は読んでいてこう思った。
「大地…海…陸海ときたら~??…あれ?空がない!!空がないぞ!!」
なぜだろうか。…空は星々を擁している、のように空に関する記述があっても良いのではないか?私はこれが意図的なものであると考えた。だとしたら何を意味するのか…

 そう、これは神子の空(=天)への強い思いを表しているのだ!!

飛鳥時代の神子にとって、大地や海は人間の儚さを想起させるものであったと考えることができる。しかし、空を眺めているときだけは、そういった人間の死への不満を思い出すことはなかったのではないか。政に疲れた時には星空を眺めてたりしてほしいものだ。

神子の目指す天人の暮らしている場所は天界であることから、空は大地や海が想起させる人間の死と対極にある存在、つまり不老不死(=生)を想起させるものであると考える事ができる。

そう考えると、空というものは神子にとっては人よりも特別なものであったはずだ。

6面道中曲

 1000年以上の時を経て復活した神子が最初に目にした光景は、おそらく6面道中曲名の通り「小さな欲望の星空」である。神子が眠っていた場所は地下のはずなのに、わざわざ星空という言葉が入っているのは偶然なのだろうか。また、小さな欲望つまり小神霊は、人間の欲であり、この人間の欲というのは、多くの欲を聴いてきた神子にとってはある意味、生の象徴と言えるのではないか。そんな小神霊たちの集まった霊廟が星空と表現され、空と結びつけられていることは、豊聡耳神子の価値観が反映されたもののように感じられる。

豊聡耳神子にとっての空とは

 さて、少々長くなってしまったが満を持して本考察における結論を述べよう。

 神子にとって、空とは生の象徴であり、自身の到達点である

あとがき

 皆さんこんにちは。おにぎり太郎と申します。まず、サイト開発に携わった方々、サイト利用者に最大限の感謝を申し上げたいと思います。私は、Xで流れてくる考察を眺めているだけの人間でしたが、皆さんに感化され、こうして考察(のようなもの)を書かせていただきました。自分で読み返しても何言ってんだこいつ感が否めませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

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