東方世界の霊の分類について

はじめに

この考察は「霊」を3種類の分類に分けていこうというものです。
分類は以下の通りです。

①幽霊タイプ
②亡霊タイプ
③その他

考察では「である調」を用いて文章を書かせていただきます。
ご了承ください。

幽霊とは?/幽霊タイプについて

分類:幽霊タイプ

白玉楼で家事をこなしたり、冥界からの使いを担当している種族。
また、人間界でも出会わないのは不可能とされるくらいありふれている。
畜生界に存在する人間霊も外見的特徴から恐らく幽霊であり、前述の家事のことも考えると器用さは人間時代のものを引き継いでいるようである。

東方求聞史紀によると、幽霊は以下のような霊だとされている。

  • 性質は妖精に近く、妖精が自然の具現なら幽霊は「気質の具現」
  • 必ずしも死者の霊とは限らない
  • 一人の死者から複数の幽霊が発生することもある
  • 姿は不定で、形は意思により自在に変わる
  • 肉体を持たず、壁をすり抜けられる(どこでも通り抜けられる)
  • 体温は非常に低い

本考察ではこのような特徴を持っていると判断できる霊を「幽霊タイプ」に分類する。
また、口語的に死霊に近い霊全般を「幽霊」と呼ぶ場合もある。

神奈子 幽霊の人(※9)に聞きました。

※9 恐らく幽々子か妖夢

(東方求聞口授より引用)

亡霊とは?/亡霊タイプについて

分類:亡霊タイプ

西行寺幽々子などの種族。

東方求聞史紀によると、亡霊は以下のような霊だとされている。

  • 死んだことに気づいていないか、死を認めたくない念が強すぎる霊がなりうる
    (つまり死者の霊がなりうる)
  • 人間以外の生き物は亡霊にならない
  • 姿は生前のものと同じになり、傍目には人間と区別ができない
  • 肉体を持たないが触れることができ、物をすり抜けるのは苦手
  • 輪廻からは外れている
  • 体温は低くない
  • 怨みを持った個体もいる

本考察ではこのような特徴を持っていると判断できる霊を「亡霊タイプ」に分類する。

騒霊とは?

分類:その他

プリズムリバー三姉妹などの種族。
求聞史紀で明確に幽霊でも亡霊でもないとされている霊。
(一応幽霊のページに分類されているが、冒頭で「幽霊ではない」と前置きしている)
騒霊の出す音は「音の幽霊」らしく、幽霊と縁の深い霊だと考察できる。
プリズムリバー三姉妹のテーマ曲が「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」なのも納得である。

幽霊と人間のハーフ(半人半霊)とは?

分類:幽霊タイプ(半霊部分)

魂魄妖夢などの種族。
ここでの「ハーフ」は半分ずつという意味であり、元々そういう種族で混血ではない。
人間の半人と、幽霊の半霊によって構成された種族。
正確には双方本来の人間・幽霊とは体温に違いがあるため、そのものではなく限りなく近いものかもしれない。

半霊は『魂符「幽明の苦輪」』などのスペルカードによって半人と同じ姿をとるため、幽霊の「姿は不定で、形は意思により自在に変わる」という特徴と一致する。

神霊とは?

分類:亡霊タイプ

八坂神奈子などの種族。
神として崇められている亡霊のこと。
ネームドキャラの印象が強く意外かもしれないが、本来は希薄な亡霊であり普通の人間には言葉が聞き取れない。
(それを聞き取れるのが巫女などの神職なのだろう)
また、姿形の無いものが多いようである。
(何故亡霊に該当する種族なのにここまで希薄なのか考えた結果、「未練が少ないからではないか」という結論に至ったがどうだろうか……)

八坂神奈子のように有名な神霊になると、固定の姿をとることが多い。
これは信仰を得やすくするためのようだ。

八坂神奈子以外だと純狐も種族が「神霊」とされている(自称は「仙霊」)が、彼女は来歴を考えるとどちらかというと「怨霊」に近いように思える上、「無名の存在」であり信仰心を得ているようにも思えない。
もしかすると、信仰される以外にも神霊になる手段があるのかもしれない。

怨霊とは?

分類:幽霊タイプ/亡霊タイプ

宮出口瑞霊などの種族。
また、蘇我屠自古も種族表記は「亡霊」となっているが、求聞口授では「ただの雷を落とせるだけの亡霊に変化しつつある怨霊」と説明されている。
(求聞口授の記述から、怨霊は亡霊に変化しうる種族だと分かる)

蘇我屠自古とモブ怨霊の特徴を比べた結果、怨霊は幽霊タイプ・亡霊タイプ両方にまたがる分類であると私は結論付けた。

まずモブ怨霊だが、こちらは人魂やその中に髑髏を浮かべたような姿をしており、どう見ても「生前の姿」には見えない。
亡霊であるならば(脚の有無はともかくとして)生前の姿をとるはずなので彼らは幽霊に近い存在だろう。
(ちなみに、ゲーム中のモブ怨霊は同じような姿の敵が「バレットフィリア達の闇市場」で「Onibi」「Phantom」と別種族として扱われていたため、火焔猫燐が使役しているものだけを確実な怨霊として考えた)
また、(前述の口語的な幽霊が含まれる書籍での会話なので参考にしていいかどうか微妙だが)求聞口授の対談部分において怨霊は幽霊の一部とされている。

次に蘇我屠自古だが、彼女は前述の通り「亡霊」「怨霊」両方に分類されている存在である。
彼女のことだけを考えると、怨霊は亡霊タイプの霊の一種に思える。

以上のことから、「怨霊」とは「怨みを持った霊全般」を指す言葉であり単一の種族ではないと私は考察した。

ちなみに、幽霊には前述の通り姿を自在に変える能力があるため、宮出口瑞霊が望んで人間に近い姿をとっている幽霊タイプなのか、それとも生前の姿がほぼそのまま反映された亡霊タイプなのかは不明である。

地縛霊・念縛霊・舟幽霊とは?

分類:その他?

地縛霊は求聞口授で言及された種族。
念縛霊は地縛霊の亜種であり、村紗水蜜は念縛霊の中の舟幽霊という種族である。

地縛霊は「場所に縛られる霊」であるということ以外公式の記述がないため、ここからは念縛霊と舟幽霊について記述する。

念縛霊はこの世に残す未練から三途の川を渡れない霊の一種で、「起こせる作用」が限定されている。舟幽霊の場合は「水難事故」がその起こせる作用のようだ。

求聞口授では念縛霊は一応「幽霊」とされているが、通常の幽霊にはない能力と肉体を持ち、性質も妖怪に近いため妖怪として扱われるようだ。(幽霊よりも亡霊に近い気もするがこの「幽霊」が口語的なものかは不明)

他の幽霊・亡霊との最大の違いはやはり「肉体」を持っているということだろう。触れることのできる亡霊ですら体は霊体だからである。

生霊・欲霊とは?

分類:幽霊タイプ

生霊は生きた存在から発生した霊。
欲霊はその一種で生き物の欲望が具現化した存在であり、「小神霊」「神霊の子供」「低俗霊」とも呼ばれる。
この別名から、神霊と縁の深い霊だと考察できる。

酔蝶華では人間の姿をした生霊が登場したが、性質上あれは欲霊に分類される生霊だったかもしれない。

一方欲霊は神霊廟で非人型の姿で描写されている。

幽霊の「必ずしも死者の霊とは限らない」「形は意思により自在に変わる」という特徴を考えると彼らは幽霊タイプに分類されると考えられる。

神霊廟作中では幽々子が「(欲霊は)幽霊とは関係ない」と言っていたが、場所が冥界であったことや冥界が疑われていたという状況を考えると、この「幽霊」は口語的なものだろう。

動物霊・魚霊とは?

分類:幽霊タイプ

東方鬼形獣などに登場する種族。動物の霊。
吉弔八千慧・驪駒早鬼・饕餮尤魔には個別で種族が設定されているが、作中の描写などから実際はそれぞれの種族が霊(動物霊)になったものと考えて良いだろう。

求聞史紀によると、亡霊は人間からしか生まれないので彼女たちは亡霊タイプではない。
となると残る分類は「幽霊タイプ」と「その他」だが、私は動物霊は幽霊タイプであると考察した。

まず、幽霊タイプに分類する上で一番分かりやすい特徴は「姿は不定で、形は意思により自在に変わる」というものである。

一番わかりやすいのはカワウソ霊であり、(鬼形獣本編のアイコン化した姿を除いても)生首型と全身型の二種類の姿が登場している。コミュニケーションさえとれればいいときは生首型、そうでないときは全身型と、意志によって自在に姿を変えているのだろう。

次に考察の材料になるのは驪駒早鬼である。
現在の彼女は人型をベースに翼と馬のしっぽが生えた姿をしている。
しかし生前の彼女は豊聡耳神子の「馬」であることが獣王園で発覚した。
元からあの人型の姿では生前「馬」として活動することが困難、あるいは「馬」としては認識されなかったであろうことから、生前は通常の馬の姿をしており、死後になってから幽霊の能力で人型の姿をとるようになったと考えられる。

また、普段は自らを小さく弱く見せているという饕餮尤魔も幽霊の力を使っている疑いがある。

動物の中でも魚の霊は魚霊として扱われているが、動物霊と混ぜてロアリングモードに入ることができることから動物霊とは近い存在だろう。

鬼形獣の動物霊にはレア動物霊というものもおり、その中には動物ではなく埴輪の姿をしたものもいる。
彼らが何なのかと考察した結果、「埴輪に憧れた人間霊(幽霊)が埴輪の姿をとったもの」と私は結論付けた。
人間霊をヒト霊と言い換えれば、ロアリングモードができるのも納得である。

水子の霊とは?

分類:幽霊タイプ?

戎瓔花の種族。
これがラストなのだが今までの考察の中で一番根拠が薄い。

まず「水子」とは何なのかという話だが、これは鬼形獣では触れられていないため一般的な意味から考える。
元々は「幼くして亡くなった子供」という意味であり、転じて「亡くなってしまった胎児」という意味も持つようになったらしい。

どちらにせよ、(個人的に)戎瓔花の姿は水子にしては成長しすぎているように見えた。
また、彼女は「骨がないこと」を気にしているようだがグラフィック上の彼女にはしっかりと関節があるように見える。

以上のことから死ぬ前にあまり「成長」することが叶わなかった戎瓔花は、幽霊の能力を使って理想の姿をとっているのではないかと私は考察した。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。

個人的には「幽霊」という種族にもっとスポットが当たってほしいと思っています。

コメント

  1. WheelGhost_18th_Mine of Izanagi Object より:

    テキストのみにて存在が確認される富裕霊なる存在についても気になりますね。
    まあ富裕と浮遊霊をかけた洒落ですのでまともに考えるだけムダっちゃムダですが、分類するなら欲霊ですかね?

    • れも より:

      獣王園関係は情報が少なすぎて考察をあきらめてしまいました(笑)
      富裕霊は幽霊のうち裕福(心か財産家は不明)なものかなーって気はするんですが、ピュア霊ってなんだよって
      他にも霊とつく種族には精霊もいますがこちらも情報ソースが少なく諦めています

  2. れも より:

    一つ種族を忘れていたのでここで書かせていただきます

    生霊・欲霊とは?

    分類:幽霊タイプ

    生霊は生きた存在から発生した霊。
    欲霊はその一種で生き物の欲望が具現化した存在であり、「小神霊」「神霊の子供」「低俗霊」とも呼ばれる。
    この別名から、神霊と縁の深い霊だと考察できる。

    酔蝶華では人間の姿をした生霊が登場したが、性質上あれは欲霊に分類される生霊だったかもしれない。

    一方欲霊は神霊廟で非人型の姿で描写されている。

    幽霊の「必ずしも死者の霊とは限らない」「形は意思により自在に変わる」という特徴を考えると彼らは幽霊タイプに分類されると考えられる。

    神霊廟作中では幽々子が「(欲霊は)幽霊とは関係ない」と言っていたが、場所が冥界であったことや冥界が疑われていたという状況を考えると、この「幽霊」は口語的なものだろう。

    • れも より:

      編集機能が実装されたのでこのコメントの内容を記事に反映しました