東方酔蝶華と束縛からの脱却
2024年2月現在連載中の東方酔蝶華だが、現時点で一貫した物語の道筋が見えている。
屋敷から解放された座敷童
美宵ちゃんは座敷童であり、鯢吞亭に棲み着いていた。しかし酔蝶華6話にて、好奇心で外の世界を旅してみたいと思った彼女は萃香の伊吹瓢に棲み移ることで屋敷から解放されたのだ。
里に開かれた賭博
29,30話では妖怪の山の駒草の賭場に人間が混ざっていることが問題になった。結果として鯢吞亭に賭場の出張所を開くことで解消したのだった。
魔理沙の手に負えなくなった蜂
45,46話で魔法蜂を使役して魔力を集めていた魔理沙だったが、蜂達は次第に魔理沙の手に負えなくなり、最終的には退治するに至った。
このように酔蝶華には現状からの脱却や支配していたものが解放されるエピソードが数多く登場する傾向にある。
美宵ちゃんの願望
美宵ちゃんは東方酔蝶華6話で萃香の伊吹瓢に棲む座敷童となった。
しかし忘れてはいけない。霊夢達の記憶を操るなどまだまだ秘密を隠している人物でもある。
そんな美宵ちゃんの目指すものは何なのだろうか。
美宵と酔魔
東方酔蝶華に酔魔は二度登場している。
1度目は1話～6話の間、伊吹瓢に棲み着いた美宵ちゃんが鬼の酒を使って悪さをしていた。
2度目は19話にて外来の洋酒に憑いていた酔魔に美宵ちゃんが閉じ込められた。
前述の通り美宵ちゃんは座敷童を自称しており酔魔は真似事だった。連載中の現在では結論は出ないが、2つの話は美宵ちゃんの体験と行動で対比になっている。美宵ちゃんはなぜ酔魔の真似事をしたのか。美宵ちゃんと酔魔の関連性とは何なのだろうか。
支配からの脱却
酔蝶華のテーマが支配からの脱却であると仮定すると見えてくるものがある。
それは、すべてが掌の上にある日白残無である。
美宵ちゃんがこの先さらなる変化を望んだとき、その力となるのは間違いなく日白残無であり、話は大きく動き出す。
常に支配しているわけではない
掌の上というと支配する側に見えるかもしれないが、それは日白残無の本位ではない。
東方獣王園であった通り、日白残無の望むものとは未来の可能性であり、現状は必要なことに対して使命感で行動しているため、支配しているように見えるだけであり、支配者ではない。自らの掌の上に乗らないものを求めている。
美宵ちゃんが真に自由になるときこそ、幻想郷の支配関係が揺らぐときであり、残無様が望む未来なのかもしれない。
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