序
たなばたざかむげんのう、相変わらずネーミングセンスが素晴らしい
収録されている11の曲目も同時に発表されたので、その曲ごとの名前からわかる範囲で発表前にもかかわらず考察してみる
頒布前のゲーム(体験版)ですらない音楽CDの曲目考察という無茶ぶり(幻覚度10)にしばし付き合っていただければ・・
一部、他者様の素材を参考にしました、これをもって謝辞に代えさせていただきます
塞がれし曲目考察
- 01. 七夕坂に朝が来る(2024 オリジナル)
- 02. 不等式のティンカーベル(2024 オリジナル)
- 03. 禁断の扉の向こうは、この世かあの世か(2017 東方天空璋より)
- 04. スモーキングドラゴン(2021 東方虹龍洞より)
- 05. 夢幻能 〜 Taboo Marionette(2024 オリジナル)06. クレイジーバックダンサーズ (2017 東方天空璋より)
- 07. 憑坐は夢と現の間に 〜 Necro-Fantasia(2017 東方憑依華より)
- 08. ひとりぼっちの常陸行路(2024 オリジナル)09. 地蔵だけが知る哀嘆(2019 東方鬼形獣より)
- 10. 秘匿されたフォーシーズンズ(2017 東方天空璋より)
- 11. 夜じゃなくてもお化けはいるから(2024 オリジナル)
- 参考文献
01. 七夕坂に朝が来る(2024 オリジナル)
七夕坂、常陸太田赤土町に同名の坂がある。
SNSで見つけたマップを参考にする(※1)、
七夕坂の近くに戌と亥の石像があり、合わせて戌亥=乾(いぬい)となる。
七夕と言えば天の川、天=乾でも考察の範疇として問題ないが
天の川を「漢」という一文字で表すことがある
漢の右側は革に火をあてて干す(乾かす)という意味を持ち、
漢は水のない乾いた川という意味になり、ここからも乾(いぬい)を読み取ることができる
また七夕坂のある「常陸(ひたち)」と「朝」の関係だが、
陸は六からきている文字で、六は拳から指一本立てた(指折りで数えた5の次)ところからきている
指を立てると上を指すことになり、これが陸と昇陽(朝)のイメージと重なって常陸=日立になったものと思われる
02. 不等式のティンカーベル(2024 オリジナル)
赤土町にあるかは不明だが、常陸太田には鋳工所があるらしい
tinkerとは鋳掛屋のことで、金属製品の修理、主に壊れて出来た穴をはんだ付けや溶接などで塞ぐ仕事だそうだ
不等式とは修理前と後では同質ではなくなる(修理前は役立たず・修理後は何かを容れられる)、という意味だろうか
03. 禁断の扉の向こうは、この世かあの世か(2017 東方天空璋より)
先の赤土町マップの上下をひっくり返すとメインの道筋が扉に見えないこともない
(我ながらこじつけが強い)
現実であるこの世と幻想世界のあの世の境界として扉が充てられているのか
04. スモーキングドラゴン(2021 東方虹龍洞より)
スモーキングは煙草吸い(喫煙)で、赤土町は煙草と関係があるらしい
煙草を扱う道具に煙管があり、これは吸ったときに管の中に煙が籠る
ドラゴンは龍(←籠)で、龍は易の天為乾の説明によく出てくる
また龍を使った部位の名前を持つ楽器があり、後述の「琴」である(※2)
05. 夢幻能 〜 Taboo Marionette(2024 オリジナル)06. クレイジーバックダンサーズ (2017 東方天空璋より)
七夕のキーワードが一つ、織姫星のある星座はこと座である
琴の字源として「琴は禁なり」であり、禁には塞いで(→02.)籠らせるという意味がある
弦をはじいた時の音が空洞の管にこもるから、塞いで籠らせるという意味の禁にあやかって琴と名付けられた
今作のこれら楽曲に琴の音でも使っていないかなと、考察というよりも願望に近い感情がある
また琴は糸(弦→幻)を扱う楽器の一つであり、糸で操る人形=Marionetteとの関連性がありそうである
07. 憑坐は夢と現の間に 〜 Necro-Fantasia(2017 東方憑依華より)
憑りつかれることで夢幻と現実の境界に立たされる、という意味だろうか
ネクロファンタジアは死の幻想で「生と死の境界」であり、東方原作では境界や結界の概念の一つとして用いることがある
08. ひとりぼっちの常陸行路(2024 オリジナル)09. 地蔵だけが知る哀嘆(2019 東方鬼形獣より)
オリジナル曲は現実世界を、ゲームからの引用曲は幻想側を表しているとされている
夢と現の境界を跨げなかった一人が現側の常陸行路を、もう一人は幻想側の地蔵を臨みながら歩んでいるのだろうか
嘆という字も漢(01.)と同じ字源とすると、なげき=乾いた声という風にもとれる
10. 秘匿されたフォーシーズンズ(2017 東方天空璋より)
秘匿=禁であり、禁と琴は籠らせる行為が似ており、
それは壊れた金属製品(例えば煙管など)の穴を塞いで直すtinkerの仕事と同質でもあった
塞がれた向こう側は絶対に視ることができない幻想が広がっている
死後の世界と同様に、視ることができないからこその幻想(ネクロファンタジア)であり、今作では敢えてこの境界(扉)を跨いでしまうのかもしれない
また琴は糸(弦、幻=閉ざされた空洞の中)を扱う楽器、琴座には織姫星があり、織姫と天の川は七夕を代表するキーワードだった
だいぶ先の未来では織姫星(ベガ)が次の北極星になるらしい、北極星は四季(1年)を巡るあらゆる星座の中心である
11. 夜じゃなくてもお化けはいるから(2024 オリジナル)
物語の結びでは現実側の朝(ひたち)に戻ってくるのかもしれない
終わりに
色々と思考を漏らしてきたが、秘封倶楽部の七夕坂での物語と直接の関係はないだろう多分
ただこれらの連想が、本作発表後の何らかの考察・思考・発想・幻想のきっかけになれば良いなと思う
おまけ
CDジャケットで今にも離れていきそうな二人。
「離」という漢字には「はなれる」の他に、古代では「くっつく」という反対の意味も持っていた
夕方から夜にかけて地表にくっつき、朝になれば地表からはなれていくもの、すなわち太陽のことでもある
参考文献
※1こばしゅ様(@kbyashu):https://twitter.com/kbyashu/status/1777568936357450032
※2琴の仕組み:https://www.okoto.jp/information/koto-structure/
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