【ネタバレ注意】『東方錦上京』ラスボス達の名前のもつ概念について【エクストラボス拝顔まで】

幻覚度 9

漢字「石」の分解と、四角錐の関係

「石」という文字は「Λ」(山の形状)+「□」(口、四角形)に分解可能であり、これを立体化すると四角錐(ピラミッド)になる。
「石」を左右反転すると「可」になり、字源的に石と可は全く無関係だが、デザイン上は鏡面関係にあると言える。
「何」などの漢字から「可→石」を連想させ、また例えばMusic Roomでの6面ボス曲コメントの「ヴォーカル曲」からも「歌>可≒石」が連想できる。
本作では「石」や「可」を含む漢字が会話や名前に頻出しており、テーマ性や阿梨夜の影響力を強調しているともいえる。

6面ボスの名前とその意味

磐永:岩長姫(イワナガヒメ)を反映しており、不変・恒久性を象徴しているのと同時に元の神性を表している。
阿梨夜:阿の部首「阝」は「山(Λ)」との関連を表し、また先の考察で「可」は「石」の連想や四角錐との関連、さらにその不動性を示唆している。
梨は「木」+「利」に分解する。
「木」の読みであるモクは枝葉による日陰から覆うを意味し、おなじモクと読める「目(瞼で覆われるもの)」とつながる。
木→目と「利」で「目利き」として情報収集・分析の上手さを表し、阿梨夜の情報操作能力の高さを強調していると言える。
異変敵や三角の中の目の記号、また2面道中の「木々で覆われた背景」「星空≒瞼の裏」のイメージもこの関連性を強調している。
東方キャラの名前での「夜」は「時間操作」や「月」との関連が強い(例:輝夜、咲夜)。
総じて 阿梨夜という名前で「山と、石(ピラミッド)=不変」「情報操作(目利き)」を併せ持つ、月や時間操作の要素を含むキャラクターであると表している。

6面ボスの容姿や八卦からみる属性

「石」は八卦では「山(艮)」または「天(乾)」に対応している。
「山」とするなら不動を、「天(☰)」ならば固さ・不変・天蓋のような覆いを象徴としている。
道祖馴子の耳には左右に二本ずつ鍵が飾っており、おそらくピラミッドの四面それぞれの鍵なのだろう。
耳を竪穴、頭そのものをゴールとした場合、人体を八卦で表すと頭(首から上)は「天(☰)」に該当する。
固の「古」はしゃれこうべ=硬い頭の骨を字源にもち、骨自身が阿梨夜の「不変性」とリンクしている。
生命は時間がたつと死に、さらに長時間晒されると乾燥して骨だけになる。
この状態では「時間が究極に経って」おり、残された「固い」部分の骨=頭の骨から連想される。
またそういう状態の骨だったものは基本地面に散らばっており、それらは五体投地の地面を覆うかのような姿勢になる。
そこで「覆う」というイメージもできる。
以上のように古は「固い」「覆いかぶさる」のイメージを併せ持つことができる。
これらを前提に容姿の分析をすると「骨」は時間経過が突き詰められた「古」の状態であり、右の纏っている炎から火の鳥(神主日記の写真)の骨とすると、輪廻転生から強制的に外された「不変」を象徴している。
左側の骨+マントは、マント自身も先のモク=覆うそのものであり、またその裏地は「梨(モク=覆う、目)」の抽象的表現を含んでいる。
覆うという概念は、天気の様にその能力の影響がひろいことも指している。
阿梨夜の「棒状の石のスカート」は「木(幹)」+「石(不変)」の融合であり、ミシャグジさま(七つの木と石)と同質の信仰や、陰陽の「陽(棒)」を表している。
阿梨夜は天道と同様の支配力(影響)を無意識下に敷くことで今回の異変を起こしており、結果として影響下のキャラ達の会話に「石」「可」が織り交ざっているものと思われる。
天弓千亦との対比だが、千亦は市場を通じた影響力を持ち、阿梨夜は無意識下の支配力(結果が会話での石・可の使用)で神性を表現している。
両者は「乾(天)」のもつ影響力を異なる形で体現している。

エクストラボス、名前の役割

ニナは逆読みで「ナニ(何)」となり「可」を含む。
(ナニ【何】、名前は逆のニナ【可→石】)
また「27(ニナ)」は六十四卦に当てはめると「沢山咸」で、心を失くすくらいの大量の情報過多を表し、ニナの「情報に埋もれ自己を見失う」状態と一致している。
「咸」にも少し無理くりだが「石」が含まれており、阿梨夜との繋がりを補強している。
渡里(わたり)は「亘(わたる)や亘り」を連想させ、阿梨夜のセリフ内の「恒久」から阿梨夜の能力(不変・永遠)の副産物としてニナが生まれたことを示唆している。
総じて渡里ニナと言う名前からは、阿梨夜の神事の副産物であり、情報過多による混沌の体現と読み取ることが出来る。
阿梨夜の「不変」と対比しつつ、今回の異変で変化したことを表した、存在感が申し分ないエクストラボスと言えよう。

総括

石は「Λ+□」でピラミッドを象徴し、不変・恒久性を表した。
阿梨夜の能力や容姿(骨、マント、スカート)にも石のもつ抽象的な概念は反映され、八卦の中では主に「天」とリンクしていた。
阿梨夜と言う名前から「石」「可」「梨(目利き)」を通じて、情報操作と不変性を司ることを表し、「夜」で月関連や時間操作の要素も含んでいた。
衣装の取り巻いている骨にも固さ(不変)や覆う(影響)といった意味を持たせていた。
今回の異変の副産物として、情報過多と恒久性を併せ持つ混沌とした性質を、渡里ニナと言う名前で体現したのがエクストラボスだった。
また作品全体を通して「石」「可」の頻出やプレイ画面背景(木々、星空)は、阿梨夜の持つ能力(不変・情報・支配(覆う))を視覚的・言語的に補強していた。

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