錦上京5面タイトルについて考える~月の都と秘封社会の類似点

幻覚度 8

5面タイトル「化石化した不思議」

5面は綿月豊姫がボスとして登場する。
舞台は月の静かの海。驚いた方も多いのではないだろうか。
そのタイトルが「化石化した不思議」である。
このタイトルだけでは意味を掴むことは難しい。
本稿では、その意味について探る。

日本中の不思議を集めて

ところで、「不思議」と聞いて何か思いつくことはないだろうか。
そう、音楽CD「伊弉諾物質」に収録されている、「日本中の不思議を集めて」である。
その書き出しはこうである。

「人はいつから不思議を受け入れなくなったのだろう。」

そして、こうとも書かれている。

「人は答えのある不思議を娯楽として楽しみ、答えの無い不思議を否定した。」

 

この文章を、次のように言い換えることはできないだろうか?
「不思議が形骸化した(=化石化した不思議)」
「不思議が鑑賞のために標本化されている」ともいえる。

この「日本中の不思議を集めて」において書かれているのは、秘封世界の「社会」の話である。この「社会」と5面の舞台となる月の都との類似性を見いだせれば、月の都では「不思議が形骸化(化石化)している」と言えそうである。

 

月の都について

まず、錦上京作中の台詞から月の都の性質について考える。

1.穢れの否定

赤装備魔理沙ルートでは、豊姫が以下のように穢れについて述べている。

「穢れとは…
用意された安定を否定し
自分勝手な破壊と創造、変化を好む
穢れとはそういう愚かな人間らしい人間の気質なのです
穢れが月の都の安寧を壊滅させる未来なんて簡単に想像出来る筈です」

月の都とは穢れとは無縁の場所である。となるならば、月の都は、穢れとは真逆の性質をもっている可能性が高い。よって、月の都は

「用意された安定を享受し、社会に合わせて破壊も創造もせず、不変を好む」
社会

であると考えることができる。

 

2.排他的

綿月豊姫は幻想郷に近い存在であることもあり、錦上京作中では、自機を帰すにとどめていた。
しかし、他の月の民はそうでもないようである。豊姫が「私に会ったことは内緒にしてね(魔理沙赤装備)」と言っていることからもそれが伺える。

また、「月の民は地上の情報に汚染されることを拒む(霊夢赤装備)」ことから、外界を拒む性質があることがわかる。

 

3.真実を求める

4面では、ユイマン・浅間により、穢れ(地上の情報)は「無害な真実」に変えられる、と語られる(魔理沙青装備)。

omake.txtの渡里ニナの説明にもある通り、真実は「不可謬性」をもつ。
真実は揺らぐことのない確定的なものであり、そうでない地上の情報は不確定的なものであると解釈することが出来る。

そして、変化を拒み不変を求める月の民には、「不確定な要素を嫌う」性質があると推察することができる。

 

秘封社会について

「伊弉諾物質」で描かれる秘封倶楽部の世界では、

「答えのある不思議を娯楽として楽しみ、答えの無い不思議を否定した」
(日本中の不思議を集めて)

「全てを管理したつもりでいる」
「管理外の物の存在を否定」
「管理外の物を恐れる社会の性質」
「療養という名の隔離治療をさせられている」
(緑のサナトリウム)

とある。ここから、
「答えの無い不確定な要素を否定する」
「全てを管理し、管理外のものを排除する」
という社会の性質を読み取ることが出来る。

月の都と秘封社会の類似性

まとめると、

月の都 秘封社会
地上の穢れを拒絶、排他的  管理外を恐れ排除、隔離
安定が用意(管理)されている 全てを管理している(つもりでいる)
無害な真実を欲する 答えの無い不確定な要素を否定

となる。似てる気がする。

 

結論

以上を踏まえると、錦上京5面タイトル「化石化した不思議」とは、

「安定を管理し、変化や真実でないものを拒んだ結果、月の都では”不思議”が形骸化している」

ことを指していると考えられる。

 

おわりに

以上です。いかがでしたか?
強引な解釈なのは否めません…。ご意見などありましたらコメントしていただけると助かります。

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