鈴奈庵における人間と妖怪とは?

鈴奈庵における人間・妖怪・そして妖怪化とは?

鈴奈庵では人間と妖怪のかかわり、そして妖怪化が描かれています。鈴奈庵の人間とは東方や同人界隈に来てくれる女じゃないかと考えています。逆に妖怪は男、とくに他人を傷つけることをいとわない男。妖怪化はメンタルを壊したり、逆に異性を傷つけることを厭わなくなることではないかと思います。

鈴奈庵では人間(女)と妖怪(男)の関係を踏まえ、人間(女)にとって妖怪(男)は基本は敵です。小鈴は危害を与えない状況では敵ではないと妖魔本に触れ、妖怪化してしまいます。しかし、霊夢達がコイツは雑魚だと背後の妖怪を一蹴しました。小鈴は「私の目で選別」し、妖怪達と仲良くしていきます。

以下、関連する記述を鈴奈庵本体から拾っていきます

妖怪になりえる存在としての人間

23話にて「動物は人間や妖怪を喰らうとそいつも妖怪になるもんじゃ」という描写があります。また、25・26話易者、36・37話塩長者のように、人間が妖怪を食ったり、術法などで妖怪になりえる存在だと示しています。

実らない恋故に艶書を集める怨霊

16・17話に怨霊となった娘の話が出ています。つまり、実らない恋故に怨霊・妖怪になると。ですが、男から艶書を集めます。しかも同じような内容ばっかということは、一人の男ではなく、多数の男から集めているのでしょう。実らない恋故に妖怪になり、多数の男をたぶらかして艶書を集める妖怪になってます。

鈴奈庵における妖怪と人間の里に集う存在とは?

48・49話「本居小鈴の葛藤」で妖怪・人間とのかかわりが触れられています。「むしろ妖怪がいなければ人間の里は存在し得ないと。」と書かれています。東方は男向けで女キャラが多いコンテンツであり、男(妖怪)中心で作られてきて、女(人間)が後から入ってきたという構図を暗喩しているようにも見えます。

現実男、現実女、幻想郷架空妖怪、幻想郷架空人間と分けます。現実男(妖怪)が幻想郷架空妖怪、幻想郷架空人間が住む人間の里として幻想郷を作りました。幻想郷との対比で現実男は幻想郷に係る妖怪として居られます。東方界隈に入ってきた現実女も人間の里として守られる存在と位置付けたと見られます。

「あの子、昔から普通じゃない物に憧れがあるというか、本だって普通の人だったら嫌がる妖魔本の方が好きだったりするし」と書かれています。普通の女はもっと女らしい綺麗なものを好みます。けど普通じゃない物に憧れがあるという描写はまさに東方・同人界隈に来る女の特徴でしょう。

「臆病な癖に好奇心だけが高いものだからあのままじゃあ、いつか妖怪に利用されてもおかしくない」と書かれています。女は基本臆病です。ですけども、好奇心が強く妖怪(男)に近ければ妖怪(男)に利用されます。

妖怪(男)は人間(女)の敵という描写は、それこそ性的な意味を持つのかもしれません。

文が様々な人間に対して様々な感情と関係性を持つと答えました。そして単純に敵・味方という見方をしないと答えました。それに対して小鈴は「妖怪(男)だって人間(女)に危害を与えない状況下なら敵ではない。私はそう思います」と答えています。

そうして百鬼夜行絵巻を開きましたが…。

百鬼夜行絵巻とは?

50話。百鬼夜行絵巻を開いた小鈴は妖怪になりました。「霊夢さんも魔理沙さんもあくまで超人として幻想郷を支配しようとしているだけ」という言葉が出ます。「幻想郷のパワーバランスをただせるはず」という言葉がでます。暴力や詭弁「奸佞邪智」で、支配し、支配される関係性の妖怪(男)に引っかかったのでしょう。百鬼夜行絵巻は女として小鈴を求め、同時に幻想郷を支配したいという妖怪(男)でした。一方で小鈴も妖怪に毒されました。

50・51話。マミゾウ「普通の妖怪がだす妖気じゃない」「通常の妖気はナウいんじゃが、ここら一帯にはそれがない」霊夢「悪いけどこんなザコ適当にあしらっておいて」マミゾウ「たとえ当たったって痛くないじゃろ」ボロボロに言われています。百鬼夜行絵巻は恋愛に挑むには未熟な妖怪(男)だったと。

51話「無数の付喪神を吸収する力、それが百鬼夜行絵巻の鬼の力なんじゃな」とかかれてます。ヤリチンって数打てば当たるみたいなやり方をしてるだけです。百鬼夜行絵巻はヤリチンで、数うちゃ当たるを暗喩している表現かと。といっても、工夫はします。好奇心だけの子供は引っかかるのでしょうが。

妖怪に傷つけられた人のケア

一方で38話「妖怪の被害にあった人間は復帰にはアフターケアが必要なことがある」という記述があります。傷つける男がいるわけで、アフターケアをしてあげないとならないこともあるでしょう。

35話で抗うつ薬おじさんが出ています。抗うつ剤とは鈴奈庵の世界にはいささか突飛ではあります。全くのでたらめに対して人々が踊らされます。実際メンタルを壊して「妖怪化」してしまうこともあるでしょうから抗うつ剤が答えになることもあるでしょう。「このような悪意のある飛語に惑わされない」ことも必要なのでしょう。

23話で新入りの妖怪蟒蛇が無銭飲食を繰り返して人間に迷惑をかけています。里の人間に手を出すことはルール違反だと。そして蟒蛇の行動を抑えて幻想郷の妖怪(男)らしい人間(女)との付き合い方を教育すると。女に迷惑をかける奴は周りの男が教育してやらないとならないという話を暗喩しています。

最終話「妖怪が人間を襲うのを防いだり人間から妖怪になるのを阻止したりしているだけ」とは妖怪(男)が人間(女)が襲うのを防いだり、傷ついた女がメンタルを害したり、男を傷つけてもいいやと妖怪になるのを阻止するのが霊夢の役割だとしているように見えます。

小鈴の成長

最終話。紫「小鈴が妖怪になろうとしたら退治しないとならない。それはあの娘の不幸を意味するでしょう」「でも貴方と戦ってきた妖怪は今どうしてる?退治されず今も一緒にお酒飲んで楽しんでるじゃない」魔理沙「小鈴を妖怪にして茶番の戦闘ごっこをさせて仲間入りさせろということか」妖怪(男)とかかわらないと妖怪(男)の特性はわかりません。かかわって落ち込んで、傷つき、傷つけられて、妖怪(男)の仲間に入れます。

51話で紫が「月が綺麗だから見ていただけなのに」といっています。月が綺麗ですねとは夏目漱石の逸話からI love youの象徴。ダメな男である百鬼夜行絵巻と小鈴の傷つけあうI love youでも一つの愛の形には違いない。一つの綺麗さで、経験ではあったのでしょう。だから、紫も後を押した。

最終話「貸し出す人を私の目で選別させていただきますが」小鈴は様々な文字を見る能力がありますが、百鬼夜行絵巻とかかわり傷ついて人を見る目も身に着けたと。

まとめ

妖怪(男)への好奇心が強い人間(少女小鈴)が、人を見る目を持って楽しんでいけるようになった話ではないかと思います。

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